ダウ理論

西洋のテクニカル分析の始祖といっても過言でない「ダウ理論」。

ダウ理論を知らずに、テクニカル分析を語ることは不可能でしょう。

100年にも渡り機能してきた実績からテクニカルアナリストのほとんどはダウ理論を支持しています。

今回の記事ではテクニカル分析の金字塔と呼ばれるダウ理論について初心者向けに解説していきます。

 

ダウ理論の6つの法則

①市場はすべての事象を織り込む

一言でいうと、チャート分析を極めれば全てがわかるということです。

テクニカル分析においての相場はファンダメンタルズの影響も含めて、すべてを織り込んでいます

テクニカルとファンダメンタルズ

テクニカル分析・・・チャートだけをみて判断すること

ファンダメンタルズ分析・・・ニュースなど出来事をみて判断すること

例えば、株で良いニュースがあったら株を買いたくなりますよね。その結果、価格は上昇します。

逆に悪いニュースがあれば、価格は下落しますね。

つまり、自然災害などのファンダメンタル的な要因も全部織り込まれてチャートは値動きします。

とはいえ、ファンダメンタル的要因が原因なら、ファンダメンタル分析の方がテクニカル分析よりも優れているのではないかと思う人もいるかもしれません。

特に機関投資家などの大口は、個人 と比較して情報収集能力が高いです。当然ながら、組織の力やノウハウ、人脈が違いますよね。その分、機関投資家のほうがファンダメンタル的に有利に投資を行うことができるので、長期的でもないかぎり勝ち目は薄いでしょう。

ただ、大口には大口の弱点があります。

一つは成果を出さなければならないこと、もう一つは大口は扱うお金の量が非常に多いことです。

前者はそのため長期的な投資ができないことにつながるのですが、今回は省略します。

後者の扱うお金の量が非常に多いということは、そう簡単には身動きができないということです。

少しでも動向があると市場に影響を与えてしまうため、隠れて仕込むことができません。

その結果、大口がとっておき良い情報を手に入れて事前に仕込んでおこうとすると、どうしてもチャートに兆候現れてしまいます

逆をいえば、情報がなくてもチャートを分析しておけば、仕込まれているかどうかを判断することができますよね。

このチャートに現れる兆候を分析していくのがテクニカル分析です。つまり、テクニカル分析をするだけで、結果的にファンダメンタルを含めた判断ができるといえます。

②トレンドは3種類からなっている

ダウ理論ではトレンドをジグザクに動きつつも一定の方向に向かっているものだとしています。

ある意味では当たり前ですが、上昇トレンドの中でも常に上昇していることはありえず、下がっているときがあるということです。

ダウはこれを長期・中期・短期3つのトレンドがあるからだと考えました。

トレンドの種類
  • 1年以上大トレンド
  • 1~3ヶ月程度のトレンドを中トレン。主要トレンドの調整。
  • 1~3週間程度のトレンドを小トレンド。二次トレンドの調整。

発表当初、ダウはこのトレンドを海の潮・波・さざなみに例えていました。潮の満ち引きでも、波が押し寄せてくるだけということはないですよね。

引いたり、寄せたりする波と同じような現象が市場でも良く起こります。

特に中トレンドは行き過ぎた大トレンドを調整するために、小トレンドは行き過ぎた中トレンドを調整するためにあります。

特に3分の1から3分の2に渡るまでの調整が行われ、50%となることが一番多いと言われています。

③大トレンドには3つの段階がある

ダウは、大トレンドを先行期」「追随期」「利食い期」3段階に分類しました。

ダウによればトレンドが「先行期」「追随期」「利食い期」「先行期」「追随期」・・・とこの3つの段階がぐるぐる回っているといえるといわれています。

これを発展させたのがエリオット波動論です。

第1段階:先行

先行期はトレンドが明確には生じていない段階を指します。

先行期は主に、有利な情報を掴んでいるプロの投資家がポジションを持ちます

このタイミングでは市場に情報が出回っていないため、前のトレンドが終わったのかどうかの判断は非常に難しいため、一般的な投資家が参入するには難しいといえます。

単なる戻しや値動きの判別がつかないため、情報の取得に有利である機関投資家といった大口がこのタイミングで仕込んでいる段階といえるでしょう。

第2段階:追随期

追随期はトレンドが生じていることを認識できる段階です。

テクニカル分析を行う投資家の大半がこのタイミングで参加して利益を出しています。大口の仕込みがだいたい終わったことで、購入している兆候が現れているのでテクニカル分析をすることによって判別することができます。

個人投資家で儲けている人は8割以上はこのタイミングで参入しているといえます。

多くの投資家が一斉に参入することで急騰や急落が生じる段階ともいえるでしょう。

第3段階:利食い期

ダウは一つのトレンドの終盤を利食い期と分析しました。

利食い期では、各種メディアは強気に報道します。例えば、2018年末のビットコインについて多くの新聞でとりあげられていましたよね。このときの市場は利食い期だったのです。

当然、メディアでは上昇した原因となる要因について報道しますよね。この要因は一部の投資家が先行期の際に既に入手していたものです。情報が大衆のものとなり、全員に情報が行き渡ります。

当然事実なので説得力が高いです。結果として、初心者の投資家が今上がっているから買おうというように参入してきます。

しかし、既に先行期や追随期で既に参入しているプレイヤーは撤退、すなわち利食いを行います。なぜなら、先行期で入手していた情報は既に出がらし状態になっているからです。つまり、これ以上情報の価値がないわけです。

追従期までに参入していた投資家が抜けていくことで資金が減少する一方で、初心者投資家は思った以上に上がらないことで同様に撤退する人が出てきます。その結果、トレンドは終焉を迎えるというのが利食い期というわけです。

このタイミングで参入した、投資家は間違いなく損をするのは上記の経緯が原因です。特に投資が初めての人が損をしたというのは8割がたこのタイミングで参入しているからです。

だから、「買ったら下がった。売ったら上がった」という声が少なくないわけです。

④トレンドは2つの市場で確認する

市場は他の市場と密接に関わっています

例えば、為替は輸出入に関わってきますし、法定通貨の価格は仮想通貨に影響を与えます。

より分かりやすくいえば、例えばある工業株が売上増加という好条件で上昇したとします。

売上が増加したということは商品を買う人がいるわけですよね。工業製品は簡単に持ち運びができない以上、輸送する必要性があります。であれば、輸送する量も増えるわけですから、輸送関係の会社の売上も上がるわけです。

この情報は断片的に各投資家に入手されます。

例えば、〇〇会社の業績がいいらしいだとか、〇〇運輸の輸送車をよく見かけるようになっただとか。

これらの情報から投資家は先行期に投資をするわけですが、徐々に同じ判断をする人が増えてくることによてトレンドが生じます。

生じるトレンド当然ながら工業株だけでなく、輸送株も対象となります。そのため、本物のトレンドは複数の市場にも生じるものです。

一つの市場にのみ生じている場合は騙しの可能性があります。つまり、仕手屋が多くの投資資金を利用して市場を操作している可能性があるということです。

しかし、複数の市場に影響を与えるには必要な投資金額が増えるため仕手屋が影響を与えるのは難しくなります。そのため、複数の市場で確認されるトレンドこそが本物のトレンドといえるでしょう。

もちろん、単純にバブルが崩壊だったり、加熱した市場の調整が生じている場合もあるので、一概に仕手が生じているとはいえませんが、ダウは複数の市場に生じていないトレンドはトレンドではないと断じています。

そのため、トレンドかどうかを判断する際には複数の市場を確認しましょう

⑤トレンドは出来高でも確認できる

ダウはトレンドを判断するとき、判断材料として出来高を上げています。

出来高はトレンドに追随します

つまり、上昇トレンドのときは価格が上昇したときのほうが出来高が増加価格が下落したの出来高は減少します。一方で、下落トレンドのときだと価格下落の際に出来高が増加し、価格上昇の際に出来高が増加します。

ある意味当たり前のことですが、これを知っているかどうかでトレンドを判断するのに大きな差が生じるわけです。

⑥トレンドは明確な反転シグナルが出るまで継続する

あるトレンドが形成されると持続する可能性が高いとダウは仮定しました。これはニュートンの慣性の法則を応用したものです。

すべての物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける

―ニュートンの運動の第1法則

では、何をもって反転したといえるのかというと・・・実は誰にも分かりません。分かれば誰でも儲かることのできる打ち出の小槌となるわけですから、存在しえないわけです。

残念ながらそんなに世の中甘くはありません。

ただ、反転を判断するのに抵抗線、支持線など各種のテクニカル分析が判断材料となります。テクニカル分析を行う投資家はこの反転シグナルを毎日血眼になって探しているわけです。

ダウ理論のまとめ

最後にもう一度、ダウ理論による6つの法則をおさらいしましょう。

ダウ理論の6つの基本理念
  1. 市場はすべての事象を織り込む
  2. トレンドは3種類からなっている
  3. 大トレンドには3つの段階がある
  4. トレンドは2つの市場で確認する
  5. トレンドは出来高でも確認できる
  6. トレンドは明確な反転シグナルが出るまで継続する

上記の理論は一見簡単なように見えますが、非常に奥が深く手軽に身につくものではありません。

実際にほとんどのテクニカル分析はこの6つの理念を更に深掘りしたものがほとんどです。ダウ理論はテクニカル分析の基本であり、全てはココから始まるといっても過言ではありません。

身につけるためにはやはり実践してみることが一番です。

実践をするにあたり利用するチャートツールとしては為替から株式、仮想通貨までのチャートを各種デバイスで確認できる画期的なツールであるTradingViewをオススメします。

最初の一ヶ月間は無料で利用できるのでダウ理論を身につけるためにもぜひとも試してみましょう。